2025年1月30日

医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(2)健康診断では病気を予防できない

医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(1)ポイントまとめ

  ※本コラムは医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(1)最先端医療・現代医療の限界 の続きです  

【前回のポイント】

・現代医療、最先端医療はいわゆる「早期発見」「早期治療」という言葉で表現される通り、病気になったものを見つけて治す対症療法、事後対策であり、これでは病気、病人は減らせない。 ・オランダやドイツやアメリカでは30年近く前(27年前のことなので今からは約60年前)から国策として予防医療に取り組んでいる。

健康診断は「病気を見つける方法」

現代医療には限界がある!! 衝撃的な事実を知って「これからどうするのか?」自問自答しながら3年間を過ごすことになりました。   健康診断は実は病気診断であり、病気をみつける事後対策! ガン検診はガンにならないための予防ではなく、実はガンになったのを見つける事後検診!   今日は私が衝撃を受けた現代医療の限界についてのお話です。   私が、大学病院で16年間携わってきた現代医療の技術の進歩、薬の進歩、研究の進歩は、病気になった人には大きなメリットがあります。それは現代医療に携わってきた臨床医として、ぜひみなさんにもお伝えしたい事実です。   一方で「現代医療だけでは限界がある!」と言うこと、このこともぜひみなさんに知っていただきたい。「大きな限界がある」ということを。  

健康診断では病気を予防できない

  多くの日本人が毎年の健康診断、あるいはガン検診を受けています。普段からむちゃくちゃな生活をしている方も、品行方正にしている方も受ける前はドキドキ、ヒヤヒヤするものです。みなさんはどちらですか?   そして健康診断の結果が出て「異常なし」という通知が来ると、なぜかほっとします。なんでほっとするかと言うと「あーよかった。健康だった。」って。中には「あーよかった体調が悪かったけど、なにも問題なかった。」って。   この「健康だった」「問題なかった」という安心感。ほんとうに大丈夫ですか?   ここに大きな勘違いがあると気がついてしまったのです。   ガン検診や健康診断も大切ですが、ガン検診は「ガンにならない、ガンを予防する」ために受けるのではなく「ガンになった」ものを見つけるための検査だということ。どれくらいの大きさのガンを見つけられるかというと、現在のレントゲンやCTではせいぜい1㎝程度になって初めて発見されるのが実情です。 ※年々検査技術は進歩しており、もっと小さい段階でガンを発見できる場合もありますが、結局は病気予防ではなく、なったガン、病気を見つける事後対策であることには変わりありません   これを「早期発見」と呼んでいるのですが、1㎝のガンになるのにどれくらいの年数がかかっているかご存知ですか?平均10年です。「えっ、ウソ!」って思うでしょ。みなさんがそう思うのも当たり前です。私も医師15年目にしてそう思ったから。   「ぜんぜん早期発見じゃない!」と感じました。だから、言葉を変えるとガン検診は「1㎝になったガンをみつける検診であり、ガンにならない方法、ガン予防ではない」ということ。「去年異常なし」「今年異常なし」は「来年異常なし」ではないということです。   だからガンになる人が増えている。当たり前のことです。ガンにならないための予防医療をしていないのだから。 そして、残念なことに我々医者は、ガンを早期発見、早期治療する方法は知っているけど、ガンにならない方法(本当のガン予防)については習っていないし、知らないというのが正直なところです。   皆さんも、ガンにならない方法を知りたいと思いませんか? ドイツでもアメリカでも「ならない」ための研究(予防医療)がすすんでいるのに「なった」ものを見つけて最先端医療で治す(早期発見・早期治療)に取り組んでいる日本の現状に大きな疑問をもったのが1993年でした。   医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(3)では、健康診断で「異常なし」の本当の意味について解説します   【リンク】医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(3)健康診断で「異常なし」の本当の意味