2025年1月30日

医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(1)最先端医療・現代医療の限界

なぜ医学博士金城実は脱医者して予防医療に取り組んだのか?

  皆様はじめまして。Dr.セルフチェック開発者、医学博士金城実です。 まずは私の自己紹介をさせていただきます。   16年間の大学病院での臨床経験のあと、現代医療から予防医療へ転身をした変わり者の医者です。   1981年に岡山大学医学部を卒業し医師として40年以上。前半の16年は岡山大学付属病院でバリバリの臨床医をしていました。1996年に大学病院を辞めてから現在までは予防医療の研究と実践、啓蒙活動をおこなっています。   そもそも、なんで大学病院を辞めて予防医療の道を選んだのか?まずこのお話からしていきたいと思います。   私が働いていた麻酔科は手術の麻酔だけではなく、集中治療室(ICU)での重症患者の全身管理をしていました。つまり大きな事故や大きな手術のあとで、自分ではうまく呼吸ができない患者に人工呼吸器をつけて呼吸をサポートする呼吸管理、肺炎や敗血症などの感染症に対して抗生物質や免疫グロブリンなどの点滴をして菌やウィルスをやっつけてしまおうという感染症対策、心臓が弱っている患者の循環サポート、最後は心臓の手術のあとで自分の心臓がうまく動かない患者に人工心臓をつけて生かしておくことができるところまできていました。最先端の医療に携わりながら、私がどう考えていたかというと「我々に不可能は無い!」と。死にそうな患者さんでも「最先端の治療技術で生かしておくことができる。」そう考えていました。  

最先端医療・現代医療の限界を感じたきっかけ

  そして、この最先端の医療に携わりながら、集中治療室から無事退室(これも大変なこと)できた患者さんたちが病室にもどって、その後は自宅に帰って社会復帰しているとばかり思っていたのです。でも、私の大きな勘違いでした。 病棟の責任者(麻酔科の病棟医長と呼びます)として、集中治療室から無事退室したはずの患者が、その後無事自宅に帰れていないことに気がついたのです。集中治療室を運良く出たとしても、病棟での治療が続き、最終的に自宅に帰って日常生活ができる確率はとても低いということを知りました。   正直、衝撃でした。集中治療室での我々プロの医者や看護師やパラメディカルによる最先端技術による治療、24時間体制での管理。それでも救えない。自分がしている最先端医療の限界を強く感じたのは、なんと医者になって10年を超えてからでした。  

予防医療へ取り組むきっかけ

  私に予防医療を伝えてくれたのはアメリカの友人の医者でした。「金城さ、お前がいくらがんばっても現代医療では根本的な意味でなかなか患者を救えないのだよ。」彼は1985年から2年間、私がニューヨークにリサーチフェローという研究者として留学していたとき、家族ぐるみで世話になった、とても優秀な医者でした。「確かに彼が言うことにも一理ある。」と感じたものの、最先端の医療に取り組んでいる私にとって「予防医療とは何?」「私には縁のないもの」というのが正直なところで、彼がせっかく置いていった文献や本も読まれずに自宅の机の上に積まれていました。   転機は突然やってきました。ふとしたきっかけでこの文献を読んだのです。理由は特になく、机の片付けをしているときに時間があったから。読み始めてその内容に強烈なインパクトを受けました。なんと西洋医学発祥の国、オランダやドイツやアメリカでは30年近く前(27年前のことなので今からは約60年前)から国策として予防医療に取り組んでいる。   「なぜ?」「ほんとかな?」と言うのが率直な私の感想でした。そこから、本気で予防医療について調べ始めました。そして、私が大学病院で取り組んでいる現代医療はいわゆる「早期発見」「早期治療」という言葉で表現された通り、病気になったものを見つけて、薬なり手術なりでその症状(異常)を抑える治療(対症療法)であり、根本的な解決になっていないことを知ったのです。 現代医療に人生をかけてきた私にとっては衝撃的な事実でした。 医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(2)では、健康診断では病気を予防できないについて解説します   【リンク】医学博士金城実が予防医療に取り組んだ理由(2)健康診断では病気を予防できない