2025年1月23日
高血圧に塩分制限は必要か?
高血圧対策に塩分制限は必要か?
高血圧の人には塩分制限がすすめられます。食事での塩分、味噌汁や漬物や濃い味付けなど、いろいろな注意点が食事指導で指導されます。一方で近年の異常気象による真夏日や熱帯夜の連続で熱中症の危険がある人には塩分摂取がすすめられています。
どちらが正しいのか?一般の方はもちろん、医療関係者も明確な回答をすることは難しそうです。
塩分の重要性については医療関係者も生物学者も認めるところです。もともと生物は海水の中で生きてきたので、人の細胞も海水の成分に似ています。元気で生命活動をするためには塩分の摂取は必須です。
ただし、塩化ナトリウムだけを多量に摂るといろいろな問題が発生することも事実です。塩化ナトリウム摂取量と高血圧の因果関係の報告がある一方で、反対意見もあります。食塩で血圧が高くなる食塩感受性タイプの人口割合は20%程度で、残りの80%は食塩非感受性タイプなので食塩を摂取しても血圧は高くならない、という考え方です。
塩分対策には伝統的な日本食と天然の塩がおすすめ
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Japanese food of grilled fish and miso soup[/caption]
では、どうすればいいのか?まず塩化ナトリウムを摂りすぎると血圧以外にも体内で問題が発生するので「塩少なめのうすあじ」「うまみ味(煮干しや昆布出汁)」を目指しませんか。また塩化ナトリウムの含有量の多い食塩(現在はイオン交換で工業生産されている)ではなく、カリウムやマグネシウムなどを多く含む天然の塩を摂るのもオススメです。
このカリウムやマグネシウムは血管の周囲の平滑筋をリラックスさせて血圧を正常に戻す効果があることが分かっています。そして、食事は伝統的日本食(ご飯に具沢山の味噌汁、ノリに納豆にぬか漬け)はカリウムの多い野菜がほとんどです。デザートやおやつにバナナやミカンなどの果物、ドライフルーツ、ナッツ類などもカリウムの宝庫なので血圧の気になる方にはオススメです。